生活する

フランスとスペインのお湯事情。電気タンクよりガスの方がいい理由

このBlogをはじめてお読みいただく方へ
コノリー美香の自己紹介


こんにちは、mika( @europe_life15)です。

フランス滞在中にシャワーを浴びているとき、お風呂に入ったときに「お湯がなくなった!」なんていう経験ありませんか?

わたしはよくあります・・・。

わたしたち夫婦はスペインとフランスでの生活を繰り返しています。その中でもフランス在住中は必ずといっていいほど「お湯問題」が発生しました。

フランスはお湯を貯めておく「貯湯タンク式」が一般的で、シャワーを浴びているうちにお湯切れになってしまうんです。

わたし個人的な感想ですと、お湯事情はスペインの方がいいと思っています。

そう思った理由と、フランス・スペインのお湯事情を比較してみました。

これから家探しをする方、フランス・スペインに滞在を考えている方は参考にしてみてください。両国のおもしろい違いが見えてきますよ!

フランスのお湯事情

日本からスペイン、スペインからフランスへ移住してきた当初は、フランスにお湯問題があるとは思ってもみませんでした。

日本では蛇口をひねれば快適な温度のお湯が果てしなく出続けますよね。

バスタブにお湯をためて湯船にすることも、湯船に浸かったあとのシャワータイムも、お湯が途切れることなく出続けます。

それが、フランスでは事情が大きく異なりました・・・。

タンク式

フランスでは、写真のような「貯湯タンク」が家のどこかに備えつけられており、日常的に使うお湯はこのタンクから出てきます。

食後の片づけ、お皿洗い、手洗い、シャワー、湯船などはすべて、このタンクに貯められたお湯を使うことになります。

ということは、当然お湯を使うたびにタンクからお湯の量が減っていくわけです。

たとえば、家族が連続してシャワーを浴びたら、最後の人はお湯からいきなり冷たい水に変化した(お湯切れ)・・・とかは日常茶飯事です。

実際にわたしも、何度となくその経験をしました。

お湯がだんだんぬるくなって冷水になり、シャンプー中で泡だらけの頭をどうしようかと困ったことは数えられないほどあります。

特に、バスタブにお湯をためると一発アウトですね。すぐにお湯がなくなって髪も体も洗えない・・・なんてことも普通によくあります。

シャワーでも熱いお湯を出したくなるなる冬場は、特に減りが早いです。

※食器洗浄機や洗濯機は、タンクからのお湯ではなく機械そのものがお湯を作り出すそうです

電気がメイン、ガスは極少

この貯湯タンクは、基本的に電気で運転されています。

安全性重視という声もよく聞きますが、実際のところは単に「設置工事に費用がかかりすぎるから」という裏事情もよく耳にします。

ガスを引く工事にお金がかかりすぎるので、賃貸物件のオーナーはその費用に渋るのです。高いガス工事代よりも、設置しやすく安全性の高い電気を好むようです。

とはいえ、ガス給湯機も存在します。

わたしの義祖母の家は、フランスには数少ないガス式の給湯機を使っていました。

ガス式のいいところはタンク式と違って、お湯が無限に出ること。家族全員が連続してシャワーを浴びても、お湯切れになることはありません。

でも、そんなガス式にも残念な点はあるのです。

ガス式はシャワー中に温度が変わる?

ガスでお湯を作り出す「ガス式給湯器」は、途中でお湯切れしません

ですが、ガス式にもデメリットはあります。

シャワー中に誰かがトイレへ行ったりキッチンでお湯を使ったりすると、快適だったシャワー温がいきなり冷水に変わります。瞬時にです。

他の場所で水やお湯が使われることで、シャワーへ送られるお湯と水のバランスが崩れるからだと思っていますが、特に冬場、いきなり氷水になるのはこたえます・・・。

一方のスペインはどうでしょうか。

わたしはスペインとフランスでの移住を繰り返しています。ガス式・電気式、いろんな家に住みました。そんな経験をもとに、同じ視点でスペインを比較してみましょう。

スペインのお湯事情

電気もあるけどガスが多い。

フランスで主流なタンク式はスペインにも存在しますが、主流ではないように感じます。

あるにはあるけれど、同等かガス式の方が多いように思えました。

ガス式には2種類あります。

いわゆる都市ガスと同じ「Gas Natural」(ガス・ナチュラル)と、「Butano」(ブターノ)と呼ばれるプロパンガスです。

ブターノガスの方は樽のような容器にガスが入っているので、なくなったら樽を交換する必要があります。

購入先はガソリンスタンドで、どのお店にも置かれています。

タンク式は少なめ。ガスの方が便利

どちらかと言えばガス式の方が多いように感じるスペインのお湯事情ですが、タンク式がまったくないわけではありません。

これは物件とオーナーによりけりなのですが、好んでタンク式を選ぶ人もいます。

一番の理由はやはり安全性ですね。

ガスは「ガス漏れ」する可能性があるので、賃貸物件のオーナーは火事などの危険性を避けるためにあえて電気を選んだりするようです。

とはいえ、わたしは断然ガス派です。

なんといっても、お湯切れでいきなり冷水になることはないですしね。

ガス式だからといっても、フランス(というか義祖母の家)のようにお湯の温度が激変するなんていう経験は、スペインでは一度もありません。

湯船をためても「湯切れ」しない

もう、なんといってもこれにつきます。

ガス式は湯船をためた後のシャワーでもお湯切れしませんし、冬場など熱い温度のお湯がほしいときもお湯切れで温度が変化することはありません。

お風呂タイムが大好きで読書しながらのバスタイムを好んでいたわたしが、ガス式をおすすめする一番の理由です。

夜にシャワーを浴びるわたしはお湯が作られる直前の時間帯(夜中前)にお湯を使うことになるので、作られた熱いお湯は日中を超えて多少なりとも冷めていきます。

すると、出はじめ3分は快適な温度だとしても、次第にお湯がぬるくなっていきます。

下がってしまったお湯を快適な温度へ戻すためには、熱いお湯をもっと使うことになるので、必然的にお湯の使用量があがりすぐなくなってしまいます。

フランスとスペインのお湯事情、どちらの方が住みやすい?

スペインにもフランスにも住み、どちらの国でもガス式・電気式のどちらをも経験したわたしの最適解はこちらです。

選べるならガス、仕方なしで電気

という優先順位で考えると「総合的にスペインのお湯事情の方がいい」と感じます。

現に今フランスに住んでいて、不便に思うことは少なくないです・・・。

かといってお湯事情だけで居住国や住む物件を選べるかといえばそうでもありませんので、お湯事情から考える家探しのポイントを挙げてみます。

これはあくまでもわたしたち夫婦の優先順位であり人によって変わると思いますが、参考までにどうぞ。

お湯事情から考える、家探しの鉄則

まずこれが、お湯事情から家探しをする上での最低条件です。

  • 選べるなら「都市ガス」
  • 電気なら貯湯タンクは大容量が必須

優先順位はダントツでガス。

家の構造や条件で仕方なしに電気式だった場合は、貯湯タンクの容量(大きさ)は必ずチェックします。

ガス式でもプロパンは避ける

ガス式の物件だった場合は、「何ガスか?」は必ず確認しましょう。

都市ガスならガス栓をひねるだけでガスが出てくるので「ガスを交換する」必要はありません。毎月請求書がきて口座から引き落とされるだけです。

一方のプロパンガスは、中身がなくなる度に重い容器を運んで買いに行かなくてはなりません。その時間や労力も頻繁になればめんどくさくなるものです。

ガスコンロ・シャワー・給湯のすべてをプロパンガスでまかなうならば、かなり頻繁に購入することになります。

忘れがちですが、その経費や労力も月のコストに入ることをお忘れなく。

物件の家賃が50ユーロ安かったとしても、ガスを買いに行く労力は月50ユーロ以上にもなりかねます。

貯湯タンクの大きさチェックは必須!

家探しなどで目当ての家が電気のタンク式だった場合、わたしたち夫婦(というかわたし)は必ず貯湯タンクの大きさをチェックします。

一般的な家庭サイズのタンク容量は「200L」です。

これはわたしの経験から得た感覚ですが、家庭用で200Lははっきりいって少ないです。家族4人が住んでいたとして、1人あたりは50L。

シャワーだけに使うならできなくない量かもしれませんが、これには日中使われる食後の片づけや手洗いなどのお湯量も含まれるので、正直いってかなり厳しめです。

それより小さめのタンクだと150L、さらに小さくなると100Lです。

実際、わたしたち夫婦が滞在したスペインのアパート(日本でいうマンション)では、家族サイズの3LDKだったにもかかわらず貯湯タンクは100Lという極小ぶりでした。

おかげで2人連続してシャワーを浴びることもできず、朝晩とシャワースケジュールを設け、給湯運転は1日中必要でした。

この経験から、100Lだと一人暮らしでギリギリできる?というレベルじゃないかと思います。

貯湯タンクが小さい場合の対処法

家に設置されている貯湯タンクが小さかった場合は、この2つの方法で乗り切ることが可能です。

  1. お湯切れしたら自動で追加運転されるように「常時運転」へ切り替え
  2. 別の貯湯タンクを追加で設置する

1の「常時運転にする」は簡単ですよね。お湯がなくなったら自動的に追加運転するようにプログラムを変えるだけです。

2の「タンクを追加設置する」はスペースの問題・オーナーへの許可・タンクの購入は費や設置工事費用は誰が持つか?など、現実的な問題が出てきます。

難しいことやトラブルになりそうなことは避けたいので、わたしたちは1の「常時運転にする」でいつも切り抜けています。

スペインもフランスも、電気代は夜間が割安

スペイン・フランスの電気代は、日本に比べるとだいぶ高いです。

そして、スペインとフランスの2国を比べると、スペインの方が電気代は高いです。

家庭の電気契約内容にもよりますが、一般的に「夜間は電気代が安い」契約内容にしている家は多いです。

わたしたちもそうですし、わたしたちの友人たちも、義両親も、その友人たちも、多くの人が夜間割安を利用している印象です。

そのため、夜間に稼働する貯湯タンクは理にかなっています。ほかにも洗濯機は朝8時に終わるよう予約タイマーで動かすようにしていました。

そうして気をつけているところに貯湯タンクを常時運転する必要が出てくると、電気代は上がるかもしれません。

貯湯タンクを常時運転するときの注意点

小さい貯湯タンク(たとえば100L)の場合、朝のシャワー・家事などで日中にお湯切れすることが出てきます。

そうすると常時運転で時間構わずせっせとお湯を作ってくれることにはなりますが、電気代が安いのは夜間のみ。逆に日中は割高だったりします。

そういう意味では、「お湯切れのための常時運転」と「節約のための夜間稼働」が矛盾するようになってきます。

お湯事情から見るフランスとスペインの住みやすさ

何度も触れていますが、わたしたち夫婦は断然ガス派です。

家探しの条件は都市ガスですし、電気の場合はタンク容量のチェックは必須です。それでもタンク式の物件は最終的に選ばないほど、都市ガスにこだわっています。

そして、フランスよりもスペインの方がお湯事情はいいと思っています。

ガス式と電気式、どちらを取るかの優先順位は人それぞれです。

電気を好む人もいますし、あえてタンク式を好む人だっていると思います。ただ、わたしたちの優先順位はそうでないというだけです。

事情を知っている中で選択をするのと、知らずに悩まされるのとでは大きな違いですよね。そんな意味をこめてガス式とタンク式のお湯事情を比較してみました。

この情報が1つの判断材料になればうれしいです。

ABOUT ME
Mika Connolly
コノリー美香。海外認定コーチ。2020年東京オリンピック出場候補(女子陸上)選手メンタルサポートコーチ。キャリア・ライフサイクルの変化にも上向きに人生をシフトして、自分らしく生きたい女性の自己実現をサポートしています。クライアントは世界14ヶ国在住。/ ▼無料メールレター
RELATED POST