世の中で一番知られているブランドは「コカ・コーラ」か「McDonald’s」じゃないかと思うくらい、世界中の多くの人に知られているハンバーガーチェーンのマクドナルド。
子供から大人まで、性別関わらずみんなに親しまれていますよね。
このマクドナルドの誕生秘話が映画化されました。実話に基づくストーリーで、映画「The Founder」(ザ・ファウンダー/原題)です。
この映画を見て学んだことを、忘れないうちにメモしたいと思います。
マクドナルドの創業者は別にいた
まず、上の写真中央に写っている彼(レイ)は現在知られているマクドナルドという会社の創業者ではあるけれど、本当の意味での創業者ではありません。
これだけを聞くと「???」ですよね。
どういうことかと言うと、、、
レイは既存で成功していたハンバーガー店の手法に目から鱗を落とし、そのコンセプトや運用方法を真似た店舗展開をしたいと、そのハンバーガー店にフランチャイズ化を提案。紆余曲折ありながらも結果的に大ブームを起こし、フランチャイズ化は大成功を収めました。
この「既存で成功していたハンバーガー店」こそが、マクドナルド兄弟の経営する「元祖マクドナルド」なのです。
ではなぜ、マクドナルド兄弟が創業者ではなく、写真にいるレイなのでしょうか。
誠実よりもビジネスライク、恩を仇で返したレイ
レイはハングリー精神旺盛なビジネスパーソン。営業活動に苦労していたところに出会ったマクドナルド兄弟のハンバーガー店に目を付け、兄弟に近づきます。
1950年代中頃、当時、ほかに類を見ない斬新なアイデアと運営手法に驚きを隠せなかったレイは、彼らと契約を交わすことにこぎつけました。最初こそマクドナルド兄弟に敬意を示すものの、自分の成功が大きくなるにつれ、レイは傲慢な態度を取るようになります。
オリジナルであるマクドナルド兄弟は、新しいモノに挑戦せず「守り」に入っていた部分も一部見受けられますが、だからと言ってきちんと話し合いもしないまま、勝手に自分のやりたいように行動してしまうんでは、レイはただの聞かん坊。
ビジネスでも私生活でも、自分と違う意見はレイにとってはただの障害物。
邪魔者の意見は無視し、権力が付くにつれて邪魔者は消す。自分に有利な人の意見しか聞かず、わが道を行く。そのレイのキャラクターが私個人としては好きになれませんでした。
この映画のストーリー自体はとても興味深くて話しに引き込まれながら観きってしまったんですが、何というか、見終わった後にしこりが残る感じ。レイの自己中心的な思考・やり方・行動に「何だかなぁ・・・・・」と。
レイの作った「マクドナルド」という会社の視点で見れば成功ストーリーなんですが、マクドナルド兄弟からすると悲しいお話しです。
彼らが地道に築き上げてきたマクドナルドの実績も看板も、名前も失い、契約書でレイと交わした契約料も支払われず、最終的に全て失うことになったわけですから。
この皮肉的な結果から、映画タイトルに「McDonald’s」や「マクドナルド」という言葉を使わず、創業者を意味する「The Founder」(ザ・ファウンダー)と表現したのかな、と勝手に想像していました。
映画「ザ・ファウンダー」から学んだこと
この映画を観て、人への振る舞いという部分で学んだことがあります。
尊重よりもお金を選び、誠実よりもビジネスライクに重きを置くレイには共感できませんでしたが、このレイを通して学んだことは「人としての信用」。
1950年代中~後半以降、世界的な高度成長がはじまり「無い時代」から「あふれる時代」へ。
あらゆるモノ・コト・サービスが目まぐるしく発展し栄えていく当時の状況下においてはレイのやり方も「ビジネス手法のひとつ」とされたのだろうと思います。いや、今でもそういう人は多くいるんでしょうね。
最終的にお金も女性も名誉も全てを手に入れたレイは、彼個人として振り返ってみれば大成功を収めたに違いありません。ある意味、アメリカンドリームですね。
でも、小さいながらも自分たちで事業をしている身からすると、「騙し騙され」ではなく「誠実さ」が結局分かれ目だよね。と、私は感じました。
信用あってこその「人」とのつながり
私たちの事業でまさに今、目の当たりにしているのが「騙し騙されが普通となっている世界」。
自分さえ良ければ相手に嘘ついても何をしてもいい。こういうスタンスで事業をしている会社、本当に多いです。多いどころか、誠実な企業に出会えるのは宝くじで1等を取るのと同じくらい奇跡に近いです。これがスタンダード化しているので、誠実な人を見つけるのは容易くありません。
そんな世の中の風潮に逆流すべく、私たちはあえて「誠実さ」をモットーに事業を展開しています。
騙し騙されの世界の中にぽつんと存在する誠実さ。周りが黒ければ、たとえ小さな白い点でも目に留まりますよね。
走り始めて1年の小さな会社ですが、私たちの基本方針が多くのクライアントさん・サプライヤーさんに受け入れられ、喜んでもらえています。
「自分がやられて嫌なことは人にもしない」
これ、幼少のころに教わりました。今考えると、大人になって教わった「相手の立場を考える」を分かりやすく噛み砕いた言い方だったんだなって思います。
友達関係でもビジネスでも、接点を持つのは「人」同志。
私はレイに共感できなかったけど、人として大事なことを改めて思い出させてくれた映画でした。もし、レイが誠実で良い奴だったら、このマクドナルド社の展開はどうだったんだろうな。
どのキャラクターの目線で見るかによってこの映画の見え方は変わってくると思います。あなたはどちらに共感しますか?
ザ・ファウンダーの予告編(英語)
さいごに、この映画のトレイラーをどうぞ。