スペインを代表する画家の一人、「Salvador Dalí」(サルバドール・ダリ)。
スペイン東北部カタルーニャ地方近郊の小さな村「Figueres」(フィゲレス)出身。幼いころから絵画へ興味を持ち、その稀な才能を開花することとなります。
時には人々から反感を買い、時には人々を魅了し続けた独特な作風は個性的そのもの。
生活・制作拠点をフランス・アメリカへ移すも晩年は故郷に戻り、1974年に地元フィゲレスの町に「DALÍ THEATRE-MUSEUM」(ダリ劇場美術館)が開設されました。

この日は夏休みも終わった9月初め。
にもかかわらず多くの人がダリの作品を一目見ようと、長蛇の列が。
地方都市の小さな村にある美術館ですが、なんと年間来場者数はプラド美術館(マドリッド)に次ぐ、国内二番目を誇る多さ。
スペイン国内観光客向けのツアーガイドさんがそのように説明していましたが、それだけ人々の関心を引き付け魅了するダリの作品はどんなものなんだろうと、期待を胸に見学開始です。
館内は大きな円柱のようになっていて、中央部では大勢の金人形たちが出迎えてくれます。

2階へ上がって、大広間では巨大アートが目に飛び込んできます。

こちらは一見適当に置かれたモニュメント。正面にある「魔法のレンズ」から覗くと、部屋全体が「顔」となって浮かび上がってきます。こういう遊び心が楽しいですね。

もちろん真面目な作品も。
作品名「パン籠」はパンが一切れ描かれているだけですが、かなり有名な作品です。

個人的に好きだったのは、「風の宮殿」という作品名の天井画。
この作品はダリと愛する妻が力を合わせて天井を支え合っているというもの。この絵からもダリの妻へ対する愛情の深さが表されている気がします。

この色のバランスといい、儚いようなでも強い何かが込められた雰囲気が、何故か分からないけれど心の奥に響きました。
人を魅了する作品とは理由なくして心動かされるものなんですね。
そして、美術館をくまなく見回った後は隣にある広場、「Plaça Gala i Salvador Dalí」(サルバドール・ダリ広場)でちょっと一息。
小さい広場ですがカフェやレストランが密集していますので、時間を無駄にすることなくカフェ休憩や食事ができます。

このダリ劇場美術館がある「Figueres」(フィゲレス)は、バルセロナから車もしくは電車で約1時間。
半日観光でも美術館と町散策が十分楽しめますので、バルセロナから足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
美術館の目印はタマゴ。
このモニュメントが見えたら裏手側に入り口があります。分かりにくいですが細い路地を進んでいくと行き止まりに入り口が見えます。

Dalí Theatre-Museum
http://www.salvador-dali.org/es_index/ (スペイン語)
http://www.salvador-dali.org/en_index/ (英語)
Plaça Gala i Salvador Dalí 5, Figueres, Girona, Spain
(Figueres:スペイン語だと「フィゲラス」、カタルーニャ語だと「フィゲレス」と読まれます)
この情報は2015年9月時点のものです。