
私は「コンプレックスの塊なのがコンプレックス」でした。
そのコンプレックス歴はとても長くて幼稚園の年中から。私の人生ほぼずっとです。
- かわいさ基準でみられる容姿
- 勉強が苦手で低い学歴
- 微妙な距離感の両親や家族
- 狭い公営住宅に住む家庭環境
をはじめ、細かく挙げればキリがありません。
私自身、コンプレックスと闘っては負け闘っては負けの繰り返しで、ずいぶんと打ちのめされました。 自己啓発書やマインド系のビジネス書などもけっこう読みました。
それでも自分の奥深くに根付いてる思考回路を変えることは難しくて。
書いてあることは日本語として理解はしてるし出来ている。
けれど、自分に置き換えるとどうしても数ミリ単位の微妙な隙間ができてしまう。で、結局変えられなかった。
長年その繰り返しだった私に、新しい二つの気付きがありました。
これがきっかけで、心にびっしりとこびり付いていたコンプレックスが少しずつ剥がれていきました。
この記事ではその「気付き」をシェアしていけたらと思います。ヒントは、
- コンプレックスは長所
- 感情を選ぶ
です。
今この記事を読んでくださってるあなたの疑似体験としてイメージしてみてください。
「あ、そうなのかも?」と思ってもらえたら、その時点でコンプレックスと友達になれる一歩手前かもしれません。
目次
コンプレックスとは?
言葉が少し難しいですよね。私は勝手にこう解釈しました。
無意識のなかに抑圧されたマイナスの感情が蓄積し、ときに強い劣等感を覚える。
コンプレックスという言葉は医学的な面を持ち合わせていますが、私たちの日常生活で使われているコンプレックスとは、一般的にこの「劣等感」と同じ意味で使われているように思います。
挙げればキリがない私のコンプレックス

たとえば、容姿のコンプレックス。 簡単に挙げただけで8つも出てきました。私が幼少時から持ち続けているコンプレックスです。
- 大きくて丸い鼻(中学生のころ母親から整形を薦められた・・・)
- 小さな目
- 少ない、短い、薄い、下向きまつ毛
- 小4から今も出続ける顔中のニキビ(赤白黒・365日)
- 美容師さんもびっくりな四重苦の髪(剛毛・ちじれ・うねり・クセ)
- 顔が丸くて大きい
- 八頭美人とはほど遠い日本人体系
- スポーツやってる?と聞かれるアメフト選手並みのがっちり肩幅
私が憧れていた「かわいくて、お肌つるつるで、髪の毛サラサラで、きゃしゃな肩幅&骨格で、顔が小さくて、目がぱっちりしてる女の子」とは天と地の差です。
コンプレックス克服① コンプレックスは見え方次第で長所になる
日本を出て海外に住むようになってから、コンプレックスで悩んでいたことが褒められるようになりました。
前に挙げたコンプレックスが・・・です。どんな具合かというと、、
- 大きくて丸い鼻 → (外国人に比べて)小さくて低い鼻
- 小さくてつぶらな目 → オリエンタルで魅力的な目
- 少ない、短い、薄い、下向きまつ毛 → アジアンビューティー
- 顔中のニキビ(脂性肌)→ シワがなくて肌ツヤ がいい
- 剛毛・クセの強い髪 → コシのある黒髪&ふわっとボリュームが最高
- 顔が丸くて大きい → 実年齢より若く見られる
- 日本人体系 → 大和なでしこ的がいいらしい
- がっちり肩幅 → それでも外国人に比べると華奢
これ全部、実際に言われたこと。
コンプレックスだったのにどれも長所となって褒められます。今まで何十年とコンプレックスだと思っていた「劣等感」なのに。
ここで気づきました。「コンプレックスは見え方次第で長所になる」ということ。
コンプレックスだと思ってるのは自分だけ

自分で認識してたコンプレックスが、全然違う捉え方に変わってしまいました。
自分のコンプレックスを打ち明けたとき相手から真逆の答えが返ってきて「え、なんで?これってマイナスじゃないの?」と、正直驚きっぱなし。 この経験だけではありません。
刺激と反応の間には選択の自由がある
前に読んだ本の一節に、ハッとさせられた言葉があります。
自分の身に起こること(受ける刺激)とそれに対する反応との間には、反応を選択する自由もしくは能力がある。7つの習慣 / スティーブン・R・コヴィー
少し難しく感じるので、分かりやすい言葉で言いかえてみますね。
たとえば、友達から嫌味を言われたとき
- 悲しい
- 別に気にしない
- うれしい
この3つの感情は、友達に嫌味を言われたときのあなたが「自分で選べる感情の選択肢」です。嫌味を言われたからといって、必ずしも「悲しい」という感情を選択しなくてもいいわけです。
にもかかわらず、自分自身は「嫌味を言われた=悲しい」という頭の中の方程式に従って、無意識に「悲しい」という感情を選択しているということです。
悲しいもうれしいも、無意識の自分が選んでいる。
「感情は自分自身が選んだ結果」なんです。
コンプレックス克服② コンプレックスという感情は自分が選んだ結果
「刺激と反応の間には選択の自由がある」というこの言葉に、今まで感じたすべてのマイナス感情を思い出しました。
- 誰が〇〇をしてくれなかった
- 誰々に○○って言われて悲しかった(ムカついた)
- きれいで魅力的な女性を羨ましいと思った
- 勉強ができて(学歴)仕事ができる人を羨ましく思った
- 家庭や経済的に恵まれている人を羨ましいと思った
思いあたる全てのマイナス感情に「感情は自分自身が選んだ結果」という言葉を当てはめてみたら、心ではなく頭の中でスッと理解できました。
自分が感情を選んでる。
自分がコンプレックスを選んでる。
コンプレックスを直そう、劣等感を克服しよう、と考えては空振りばかりしていた頃には感じられなかった感覚です。
理論が分かったらコンプレックスが怖くなくなった

「感情は自分自身が選んだ結果」をベースに考えると、悩んでいることのすべては自分が選択した結果なんだということに気付きます。
誰(何・状況)にコンプレックスを解消させてもらったとかではなく、自分自身の考え方ひとつで、長年悩み続けていた劣等感を克服させることができるんです。
- コンプレックスは見え方次第で長所になる
- 感情は自分自身が選んだ結果
それでも、全てのコンプレックスを解消させることは難しいかもしれません。
自分の考え方ひとつ。自分自身にそれを考える「心の余裕」がないと自分で自分を超えられません。そんな時は、コンプレックスを持っていること自体を貴重な経験だと位置づけてみます。
コンプレックス自体が貴重な経験
「コンプレックスは無いにこしたことはない」と思われるかもしれませんが、コンプレックスがあることであなたの個性をプラスにしてくれます。
例えば、
- 同じ状況にある人の気持ちが分かる
- 相手の気持ちが分かるので人にやさしくなれる
- コンプレックスも自分を構成しているひとつ(=個性)
- コンプレックス自体が貴重な経験になる(=体験)
「コンプレックスは見え方次第で長所になる」わけですから、上に挙げたこと全てがあなたの強みになり得ます。
人に共感できて、まわりにやさしくなれる。
今までの人生の中で多少でも「悲しい」「苦しい」「辛い」思いをしたことのない人は、他人の辛さや痛みを理解するのは難しい。 辛い過去があったりコンプレックスがあることで、人に共感できたり優しくなれるわけです。
なので、コンプレックスも貴重な経験ですし、見え方次第で長所になり得るんです。
コンプレックスから自分の長所を見つける
「短所と長所は背中合わせ」とはよく言われていますよね。
これと同じ原理で考えると「コンプレックスの裏側は長所になる」ということです。
前に挙げた私の「容姿に対するコンプレックス」をもう一度見てみると、悩んでいたことが長所へと変わっていきました。
- 小さな目 → オリエンタルで魅力的な目
- 顔中のニキビ(脂性肌)→ シワがなくて肌ツヤ がいい
- 剛毛・クセの強い髪 → コシのある黒髪&ふわっとボリュームが最高
- 顔が丸くて大きい → 実年齢より若く見られる
これと同じように、悩んでいること全てに当てはめて考えると、コンプレックスが強みに変わっていきます。その強みを活かして人生や仕事に活かすことだってできます。
この考え方をはじめるようになってから、何十年と苦しめられていた長年のコンプレックスが次第に薄れていきました。
さいごに

コンプレックスが1つも無いという人は、きっといないと思います。
どれだけ容姿に恵まれていても、頭のキレる天才でも、誰でも1つや2つ何かしらのコンプレックスを心に秘めているものだと思います。
ただ、「隣の芝生は青く見える」ので、人のコンプレックスに気付くこともなく羨ましく見えたりする。
そういう感情さえも全て「自分が選んだ結果」なんですね。
- コンプレックスは見え方次第で長所になる
- 感情は自分自身が選んだ結果
悩みはじめたら私はこの2つを思い返すようにしています。すると、ネガティブ感情に心が支配されなくなりました。
「羨ましい」と思うのも「悲しい」と思うのもすべて理論なんだと考えたら、心の奥で沸き立ったマイナス感情が薄れていく…というか、感情とロジックの間で揺れて結局どうでも良くなっていく。という感じです。
コンプレックスに悩まされるとき、この2つの考え方を試してみてください。コンプレックスも自分と共存して付き合っていけるようになるのではないかと思います。
私にはとても効果のあった考え方です。
私のコンプレックスを長所に変えてくれた本

- 完訳 7つの習慣 人格主義の回復
(スティーブン・R・コヴィー)
『感情は自分自身が選んだ結果』
感情を感情で制するのではなく、自分が持った感情(選んだ結果)を理論的に説明しているところが私には納得感がありました。
世界に知られるベストセラーですが日本での初版は20年前。企業研修にも使われている考え方です。
ビジネス色が強めな本であることと、洋書からの翻訳ということもあり、日本語の表現や理解が難しい部分もありますが、私にとって世界が変わった一冊です。