こんにちは、mika( @europe_life15)です。

ニュースでも報道されていますが、2017年 10月1日の日曜日、スペイン北東部のカタルーニャ州で独立投票が開催されました。

カタルーニャ州の独立運動は今はじまったものではありません。過去に何度も独立投票が行われ、そのたびに騒動になったりしていました。

日本で生まれ育ったわたしには、国のある地域が「独立する」というのが当初はピンときませんでした。

しかし、こちらに長く住むようになってその背景や政治的理由なども理解できるようになってきたことで、見えてきたものもあります。

この記事では、カタルーニャ州以外のスペインに住むいち日本人の見解という点で、カタルーニャ州の独立運動に触れてみたいと思います。

カタルーニャ州はなぜ独立したいのか?

カタルーニャ州は、スペインの北東部に位置する地中海沿い地方です。

観光地として人気の高いバルセロナのある州であり、バルセロナはカタルーニャ州の州都です。

スペインから独立したい!というこの独立運動は、バルセロナを含むカタルーニャ州全体の動きで、その是非を問う投票が10月1日に行われました。

しかし、この投票はカタルーニャ州のみの、カタラン人(カタルーニャ州に住む人の総称)に向けて行われたものであって、スペイン政府からは認められていない違法な投票でもあります。

違法とあれば投票自体は無効になるわけですが、それを押してでも実行したところにカタラン人の独立したい熱が伝わってくるわけです。

なぜそんなに独立したいのか?

その主な理由を挙げていきます。

独立したい理由①

カタルーニャ州は、経済が活発で税収が多い

カタルーニャ州はスペインの経済をリードしている経済地域です。カタルーニャ州に所在を置く企業は多く、その法人税などはカタルーニャ州に入ることになります。

これは余談ですが、カタルーニャ州に所在する企業の製品を購入すると、その消費税がカタルーニャ州に入る仕組みになっています。

スペイン国ではなくカタルーニャ州へ、です。

商品にあるバーコードの数字から生産地が判別される仕組みになっているわけですが、この事実を元にスペイン国民の中にはカタルーニャ産商品の非買運動が繰り広げられていたのは記憶に新しいところです。

購入した商品の消費税が国へ行かない。となると払った消費税はまわりまわっても消費者へ還元されないということですからね。

独立したい理由②

カタルーニャ州は、観光産業が成り立っている

カタルーニャ州の州都バルセロナは、世界でも人気の観光地です。

あまりにも観光客が多すぎて、「観光客はいらない」というデモが行われたほどです。

また、バルセロナの物件価格の上昇によって、地元バルセロナ住民が家賃を更新できずに追い出されたりするニュースも散見しました。

大家の目線では一般人に家を貸すより、Airbnbなどの民泊で旅行者相手に賃貸したほうが高い金額で貸しに出せるという理由があるからです。

それほどバルセロナは観光地としての魅力が高い場所だともいえ、カタルーニャ州が独立しても観光収入は維持できるという見立てがあるんですね。

独立したい理由③

カタルーニャ州は、独自の言語がある

カタルーニャ州は「カタラン語」という独自の言語があります。

起源となるのはラテン語で、スペインに限らず他国の地中海地方で話されている独自言語にもよく似ています。

また、あまり知られてはいませんが、カタルーニャ州の下に位置するバレンシア州でも、独自の言語として「バレンシアーノ」という言語が話されています。

バレンシア語とカタラン語はいくつかの単語や文法が違うものの、現地バレンシア出身者からしても、ほぼ同じだと言い切れるほどよく似ています。

なんで独立投票が阻止されるの?

スペイン政府は地域の独立運動は認めていません

スペインという国はあくまでも1つ。

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その中で独自言語を話す地域はカタルーニャ州だけではありません。フランス国境に近いバスク地方も独自の言語を持ち、独立運動をしていた過去があります。

そのような動きが各地でありながらも地域の独立を許していないスペイン政府は、カタルーニャ州で行われた市民投票が無効であると言い切っているのです。

この状況を日本で例えるなら?

カタルーニャ州はスペインの1つの地域。

経済が発達し、観光産業も盛んだという点を日本で考えてみると「東京が独立する」のに近いんじゃないかと思います。

東京は日本の首都なので完全に同じ条件とはいきませんが、経済発達(その国で一番の経済地域)・観光客も多いことを考えると、日本では東京が一番近い存在じゃないかと思います。

その東京が独立するとしたら、どう思いますか?

カタルーニャ州の独立はそれに近いものなんだと理解しています。

カタルーニャ州が独立したらどうなるの?

これはわたし個人的な考えなのですが、カタルーニャ州が独立しても「完全独立」とはいかないと思っています。

なぜか・・・??

それは、カタルーニャ州が島ではないからです。

独立となると、表立って見えないさまざまな問題が出てきます。

陸続きでスペインとの国境を設けることになりますので、独立後も必然的にスペインとの折衝は続きますし、ある場面ではスペインの援護・援助が必要となるからです。

国の経済をリードするほど経済が発達してるから独立したい。というならば、これらの問題はどうなるのでしょう?

  • 国の防御は?
  • 軍隊は?
  • 海に面しているから海洋軍も必要だよね?
  • 水、ガス、電気の資源調達はどうするの?カタルーニャ州だけじゃ補えないよね?

と、一般人が少し考えただけでも「これってどうなるの?」という質問がいくつも浮かんできます。

独立運動を推進する優秀なトップ層には頭のキレる人も多くいるでしょうから、わたしが考えるようなことくらい想定済みだと思いますし、解決策くらい何通りも用意されていることだと思います。

しかし、カタルーニャ州民だけでは事足りない問題に関しては、隣接国(スペイン)の助けが不可欠になるのは想像にたやすいです。

他国ヨーロッパの独立小国はどうしてるの?

ヨーロッパには小さな独立国がいくつかあります。わたしの身近な場所での例を挙げてみましょう。

・モナコ
・ヴァチカン
・アンドラ

の3つを例にしてみます。

  • モナコ
    → フランスに囲まれ、フランス行政の助けを得ている
  • ヴァチカン
    → イタリアに囲まれ、イタリア政府の助けを得ている
  • アンドラ
    → スペインとフランスに囲まれ、スペイン政府の助けを得ている(※1)

※フランスからの援助も受けていると想像できますが、わたしの知識ではスペイン側の情報のみ持ち合わせてます。

独立している小国はどれも、隣接国からの援助を大きく受けています。

わたしがよく知るところだと、モナコはフランス政府の法律やルールを引き継いでいますし、電車の運営もフランスの会社です。

モナコ王家は別にあるし、税収も違いますが(タックスヘブン)、モナコはある意味フランスの一部として機能している面もあるわけです。

カタルーニャ州が独立してもスペインとの関係は切り離せない

もし仮にカタルーニャ州が独立に成功したとしても、やはりスペインという国との関係は切っても切り離せないものになると思っています。

先に挙げたように「国の防衛」という観点から考えても、カタルーニャ州民だけでは賄いきれないことは多く出てくるでしょうね。

また、サッカー好きな人がよく口にする「カタルーニャ州が独立したらリーガ・エスパニョーラはどうなるの?」の問題も出てきますよね。

世界でもファンの多いFCバルセロナとリアルマドリードの黄金マッチは見られなくなるのか?あの激戦があるから盛り上がるわけで、ファンが多くつくんですよね。

カタルーニャ州が独立してもリーガ・エスパニョーラはFCバルセロナを含むカタルーニャ州のチームを交えての対戦になると、予想している人は多くいます。

カタラン人である前に、あなたはスペイン人。

と、ここまでカタルーニャ州が独立したら?という観点でお話ししてきました。

ですが、何か大事なことを忘れている気はしませんか?

独立したいカタルーニャ。

「スペイン経済に貢献しまくっているのは自分たちのおかげだ!」との言い分は、「自分たちがスペインの経済を支え生活させてやっている」というニュアンスがちらほら見受けられます。

でも、彼らはカタラン人である前にスペイン人ですよね?

東京出身者が「東京っ子(と呼ばれてるのかはわかりませんが・・・)」である前に、日本人であるのと同じです。

カタルーニャ州はスペインの一部であって、カタルーニャ州民はひとつ大きな枠から見れば、スペイン人なわけです。

であれば、「独立投票であってもスペイン国民の賛成ありきじゃないのかな?」と、わたしは思いました。

彼らはみんなスペイン人。

スペイン国民の投票を得て一定数を超える賛成を得るのが独立の条件にはならないのか?

と、独立投票のニュースを見ながら、そんな議論を義両親と繰り広げていました。

さいごに

経済的に強い立場にあるカタルーニャ州は、「独立しても自分たちで生活は賄える」というのが彼らの主な主張です。

でもそれって、ジャイアン的な考えのようにも聞こえます。

俺のモノは俺のモノ。おまえのモノも俺のモノ

世界のどの国も、自国の経済をリードしている地域はあります。そして経済的に貧しい地域もあります。

豊かな経済地域が貧しい経済地域を助け、国として全体的な経済水準があがった方がいいわけですよね。

比較的経済が安定している他国ヨーロッパでも同じことがいえます。経済が潤っている地域もあれば貧しい地域もある。ドイツでもイギリスでもフランスでも、日本だって同じです。

その経済差を補いあいながら国として成長できる方法、手段を模索するしかないんじゃないかと思います。結局のところ、自国力の底上げをしない限り国の将来はありませんから。

カタルーニャ州の主張は自分たちが潤っているからそれでいい。自分たちの利益が他の貧しい経済圏に使われていくのは心外だとばかりに聞こえます。

・・・

これはあくまでもわたし個人の意見です。

カタルーニャの独立運動に関するニュースを目にするたび、話しを聞くたびに感じる、彼らから見て外国人であるわたしの個人的な意見と見解です。

世界にはいろんな意見があると思いますが、カタルーニャ州以外のスペイン国内に住む日本人のいち意見として記事にしました。

この問題、あなたはどう思われますか?

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この記事を書いている人

mika
mika
本拠地スペイン、時々フランス。
現在は南仏・コートダジュール地方に滞在。

現地生活・仕事・旅行などのリアルな現地情報と、そこから得た自分らしく生きるヒントを発信しています。

また、海外在住ブロガー向けのオンラインサロンも運営。
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