こんにちは、mika( @europe_life15)です。

現在わたしが住んでいる南仏の地方都市ニースでは、市内にある公立総合病院の旧病棟が移民・難民に提供されることが発表されています。(記事トップの写真です)

今はもう使われていない旧病棟を解体する訳でもなくそのまま再利用されるので、環境面・財政面・人道支援の3点から見れば一石三鳥となるわけです。

ですが、実際には旧病棟の周辺物件は値崩れがおき、売却を急ぐ人も出ています。

それに触れたツイートがとてもよく読まれていて、多くの人にリツイート(拡散)されました。わたしの日常に触れたツイートで何気なく書いたものです。

ツイートの元となったのは、義両親と話しをしていたときです。

このときの内容がとても心に残るものだったのと、現地で生活するものとしてわたしが感じる正直な気持ちを言葉にできた瞬間でもありました。

人によっては気分を悪くされる方がいるかもしれません。

ですが、実際に生活をし、税金を収めている身としては微小であっても何か感じるものがあるんじゃないかと思います。

移民・難民を受け入れるとはどういうことか、本当の意味で彼らを支援するとはどういうことか、そのことについて話した内容をここにシェアします。

人道支援とは

ニュースでは毎日のように移民・難民に関する出来事や事件が報道されています。

ヨーロッパでは、内戦や紛争から逃れるべく命を守るために遠い祖国から辿り着く難民は後を絶ちません。ニュースでもよく目にしている光景じゃないかと思います。

そこで救助された難民はヨーロッパ各地の国へ広がり、新たな生活を手にすることとなります。そしてその地で住む場所・食事が支給され、医療も無料で受けられたりします。

人道支援とは

他国で、大量の死傷者や難民、飢饉(ききん)や大規模な人権侵害などが実際に発生した人道的惨事(humanitarian catastrophe)や、その危険が切迫した人道的危機(humanitarian crisis)に対し、非軍事的な手段により国境を超えた救援活動を行うこと。

人道援助活動の原則は、(1)目的も形態も、軍事行動や商業活動などから明瞭に区分され、(2)利益・権力を追求せず、また危険や負担の伴う活動に対し救援される側から見返りを求めず、(3)救援対象を国籍、宗教、文化、敵・味方等の差によって選別しないこと、など。コトバンク

人道支援的に考えると、「戦闘が繰り広げられていて危ない人たちを救助する」目的なのでとても素晴らしい人助けだと思います。人を助けるという意味では。

でも、彼らを養うための原資は湧き水のように湧いてくるわけではありません。その予算はどこから出ているか知っていますか?

その国で税金を払っている人たちです。本国民・海外移住者・労働移民など、税金を払っている人、いわゆる納税者全員のお財布から出ているのです。

税金を払っているのに生活できない人もいる

その国に住み、働き、税金を納めている人であっても、経済的余裕のない人はたくさんいます。日本でもよく取り上げられ、働いても貧しい生活を送らざるを得ない「ワーキングプア」です。

ワーキングプア(英:working poor)とは、貧困線以下で労働する人々のこと。「働く貧困層」と解釈される。「ワープア」と省略されることがある。

これまで貧困はよく失業と関連づけられてきたが、しかし雇用に付きながらという新しい種類の貧困として米国・カナダ、さらにイタリア・スペイン・アイルランドなどの先進国で見られると論じられるようになった。

日本では国民貧困線が公式設定されていないため、「正社員並み、あるいは正社員としてフルタイムで働いてもギリギリの生活さえ維持が困難、もしくは生活保護の水準にも満たない収入しか得られない就労者の社会層」と解釈される事が多い。Wikipedia

この説明にもあるように、雇用につきながら(働いているのに)生活の維持が困難な状態な人は少なくありません。

彼らはまだ生活保護を受けているわけではないので、仕事をすれば当然税金や社会保障などで毎月それなりの金額が持っていかれます。

毎月、なけなしのお給料の中から容赦なく持っていかれる税金。「これさえ引かれなければギリギリの自生活にも多少の余裕が生まれる」「子どもの給食費が払える」そう思う家庭も少なくないわけです、

実際に、わたしの本拠地であるスペインは、このワーキングプアが問題になっています。

家はかろうじてある(先祖から伝わる持ち家だったり)、仕事があっても生活費に余裕が出るほどの給料はもらえていない(仕事がないケースも多い)。

常に節約をしていても、光熱費(特に電気代)が高くて冬の寒さにも暖房なしで絶えざるを得ない人もいます。スペインは食環境に恵まれていて、食費が安いのは助かるところですが、それでも毎月多くの割合を占める光熱費はやっぱりイタイ。

医療費は無料だけれど、毎月その分の社会保障料が給料から引かれていく。子供がいる家庭はここに教育費やらが重なっていく。公立学校の授業料は無料だけど、学業に必要な教科書一式は購入しないといけない。そしてそれが数百ユーロもしたりする。

教科書は学年が変わるたびに必要になるので、教科書代貯金でもしないとやっていけない家庭だってあるわけです。

天国をもとめる移民・難民

いくら人道支援に前向きで、人種差別も少ないヨーロッパへ移住してきたとしても、彼らの受け入れに消極的な国も地域もあります。

少し前のニュースで記憶にあるかもしれませんが、国境を閉鎖し移民・難民の受け入れに難色を示す国もありました。

難民を放置させておくなんてひどい!という意見も多少なりともありましたが、閉鎖を決めた国の言い分もわからなくはありません。

自国がひどい経済打撃(不況)を受けていて財政難だったら、難民を大量に受け入れるなんて現実的に難しいと思います。

自国民の生活さえもサポートしきれないのに、さらに生活援助が必要な人たちを受けるのは国家予算的にも厳しくなるわけです。だってそのお金を捻出する元の原資がないんですから。

たった1回食事をあげるとか、1泊させてあげるとか、そのレベルならできます。

でも、難民を受け入れるとはそういうことではありません。自国民として受け入れることになるわけですから、そこにかかる費用も、職も、医療も、国民が持ちえるほぼ同等の権利を持つということです。

スポンサーリンク

なのに、「自分たちは歓迎されてない」とお客さま的な捉え方で、「この国では歓迎されていないからヨーロッパの他国に行きたい」と言い出すのは、ちょっと違うような気がします。

受け入れてくれた国へ「ありがとう」の気持ちや言葉があってもいいんじゃないかなと。だって、母国でもないのに自分たちの生活の面倒一切を引き受けてくれてるわけですから。そこに多少の

ヨーロッパは天国ではありません。どの国に行っても夢のような場所はありません。彼ら自身の努力なしに、天国のような場所はこの現代にはないと思うのです。

芽生える移民・難民への敵対心

住む場所をもらい、食事も与えられ、医療も無料で受けられる。

そんな都合のいい環境に、祖国を逃れてきたときの野心を持ち続けられる人は少ないようです。

なにせ、どんなにいい職についていただろうが、どんなにいいキャリアを持っていようが、難民となって辿り着いた人たちに身分や実績を証明する術はありません。正確に身分が分かってしまったら祖国へ返還されてしまうからです。

仕事がなかったりできないと、社会から必要とされていないような気持にもなります。そう感じながら生きるのって本当に辛いです。自分が無価値に思えるんですよね。海外生活をはじめた当初、わたし自身がそうでした。

そんな感情を胸に、野心も目的も失い、あり余る時間だけが目の前にある。野心がなくても目的がなくても、住む場所も食べるものも与えてもらえる。医療も受けられる。がんばらなくても生活は保障してもらえる。

本来の希望を失い、堕落してしまった人たちが多く見受けられると、税金を払っている自国民や納税者たちの本心に変化が見えはじめます。

移民・難民の受け入れに寛容なドイツに住む、ドイツ人21歳のツイートが現実の日常生活を語っているので引用させてもらいました。

移民・難民を自立させるのが最大の援助

わたしがニースの旧病棟の話しを義両親としてたいたとき、自分の言葉で出てきたのがこれでした。

「移民・難民に自立してもらわないと誰も幸せになれない」

住居を与えたり食べ物を与えたりすることで命の危険からは回避できる。けれど、「何でも与えればいいという問題じゃないと思う」という意味から出てきた言葉です。

仮に、住居も食べ物も仕事も彼らの望むものすべてを提供できたとしても、彼ら自身に「自立したい」という気持ちがなければうまくいくはずありません。仕事をしたって受け身ばかりでは何も覚えませんし、やりがいだって感じられません。

やはり主体的な気持ちが彼らの行動や思考に影響するんじゃないかと思ってます。

であれば、彼らに1日でも早く自立してもらえるプログラムを考え、本気で実践してもらうのが大事なんじゃないかな。

ヨーロッパに限らず、どの国も母国語を持っています。この言葉の壁は大きく、超えるのは難関です。でも修得してもらえないと日常生活に影響が出ますし、そもそも職に就くのは難しいです。

なので、国や自治体などが運営する語学学校での授業は義務教育として受けてもらう。あわせて職業訓練に通ってもらい、その国で働くための基準を身につける。それをクリアしなければ労働許可がされない。最長で〇年までの猶予はあげるけど、それを超えたら自国へ戻ってもらうとか。(そしたら本気になるよね?)

過去の経歴や実績を活かした仕事を優先的に見つけたり、彼らが自分たちで生活できる術を全力で支援して、1日も早く自立してもらい、税金を納めてもらうようにする仕組みが必要なんじゃないかと。

表向きだけのルールや対策とかじゃなくて、彼らにも本気で実践してもらう。彼らに自立してもらうのが、本当の意味で移民を助けることになるんじゃないかと本気で思ってます。

  • その方法は?
  • そんなの甘い
  • ただの綺麗ごと

と言われるかもしれませんが、わたしの率直な意見です。

さいごに

この話しは、移民・難民を受け入れている国に住み、税金を納め、置かれている環境に変化が見えたわたしの経験・体験を「納税者」という視点に立って見たものです。

現にスペインでは、仕事は持っているけれど家の賃貸契約ができないフリーランスもいます。スペインの平均給料が1000ユーロと言われる中(最低賃金は月600ユーロ)、毎月の社会保障料で316ユーロも引かれます。(フリーランスの種類によっては月270ユーロ)

残る金額の中で賃貸アパートを借りようとも、家賃の3倍近くの収入がないと契約できないというアパートも多く、居住を確保することも容易ではなくなりました。数年前とは様子が変わり、賃貸契約の審査が厳しくなったのです。

何が言いたいかというと、税金を納めていても住む家に困る人がいて、その人たちは国からなんの援助ももらえません。「税金を納めている=働いている」からです。

そういう人たちは住む家が提供されるわけでも、食事が与えられるわけでもありません。税金を納めているのに、です。

その辛さを噛みしめながらふと横を見ると、住居も食事も医療も無料で提供されている移民・難民がいる。彼らは働くどころかやる気さえも失ったように見え、特に何かを努力しているようには見えない。もちろん税金は納めていない。

移民・難民が増えるにつれ、少しずつ少しずつ色んなものが見えはじめ、状況が変わりはじめ、人の感情も変わっていきます。

人命救助・人道支援は大事だけど、ただ受け入れるだけでなくその方法や取り組み方はまだまだ考える余地があるのではないか、本当の意味での援助は自立を助けることなんじゃないかと、はっきり気づいたニースの旧病棟の話しでした。

こういう話題にも論理的にディスカッションができる義父が、わたしはやっぱり大好きだな。

スポンサーリンク

この記事を書いている人

mika
mika
本拠地スペイン、時々フランス。
現在は南仏・コートダジュール地方に滞在。

スペイン&フランスから海外移住・海外生活・国際恋愛・旅行・仕事・起業のことを発信してます。世界中で撮った写真を使ってのエッセイも執筆中。
→ 詳しいプロフィールはこちらへ
→ Line@はじめました!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう